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失敗から学ぶスタートアップのイメージ作り

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ときにスタートアップは、一時の評判にその後の行く末を大きく左右されることがある。その名の通り立ち上がったばかりの企業なだけに、すぐに多くのユーザの信頼を得て、長期的に良いイメージの構築を図ることはそう容易ではない。世間の話題をさらい、好調な出だしを見せたかと思えば、その勢いが長続きせずそのうち話題にも上らなくなることもある。そうかと思えば、全く無名だったサービスが徐々にユーザの間で広がり、いつの間にか誰しもが愛するサービスになることさえある。

 

話題が先攻したColor

ここ数ヶ月サンフランシスコ近郊ではColorの良い評判を聞かない。当初、あれだけ騒がれていたにも関わらず、だ。今となっては後の祭だが、Googleに買収されていればよかったもののその選択をしなかっただけではなく、その舵取りにミスを犯し、結局Colorは期待されていた通りのサービスにはなり得なかったように見える。各種メディアであれだけ酷評されてしまっては、今後再び注目を集め、ユーザからその期待を取り戻すにはかなりの困難が伴うだろう。

Colorは今年頭にプレローンチされるや否や、VC数社から$41Mを調達した。もちろんこのニュースはメディアの話題をさらい、人々の期待を煽った。ITバブル再来については賛否両論だが、目を疑うような巨額投資がIT業界だけだけでなく世の中を騒がせているのは紛れもない事実だ。この時将来のユーザはColorというアプリに対して、どんなイメージを持っただろうか。これだけ世の中の注目を集めたのだから、どんなに面白いアプリなんだろうか、とそのハードルは自動的に上がったに違いない。そうなれば、失敗は許されない。その後もColorは「color.com」のドメイン取得に35万ドルを要した、というニュースなどもありさらなる注目を集めてきた。しかし、だ。その後Colorは当初の話題とユーザからの期待を維持することができただろうか。答えはノーだ。大規模なPRキャンペーンに失敗し 、co-founderが辞め、度々ユーザの期待を裏切る形となった。はたしてどの程度のユーザがColorというアプリをただダウンロードしただけでなく、今でも使い続けているだろうか。期待値が上がれば上がるだけ、それに答えられなかった時の反動は大きい。

ファンの間で広まったinstagram

そんな中、Colorとは逆の道筋を辿り、大成功を収めたサービスがある。それがご存知 instagramだ。今日もiPhoneで写真を撮ってはinstagramのフィルターにかけtwitterやfacebookに公開している人も多いことだろう。btraxのオフィスからほど近く、海が見えるオシャレなコワーキングスペースとして有名なdogpatch labsで生まれたinstagramだが、このサービスが人気になったのは決してそれがプロモーション活動を行ってきたからでではない。

instagramのCEOであるKevin SystromはQuora上の質問”What is the history of instagram?”に対する回答で「はじめからこんな人気は予測していなかった。」と答えている。 つい最近もアップロードされた写真の枚数が累計1億5000万枚を突破したというニュースがあった。プロモーションやマーケティングをいっさいしていないにも関わらずだ。サンフランシスコにあるオフィスで社員は今でもたった4人だそうだが、いまだに快進撃を続けている。 instagramはユーザの間で盛り上がり、ファンを集めた。instagramについての不評を聞いたことがある人はどれほどいるだろうか。ちなみに現在のinstagramのオフィスは、同じようにコアなファンユーザーによって普及したtwitterが立ち上げ時に入っていた所と同じ場所に位置している。

Colorとinstagram 、写真共有という点においては共通する2つのサービスであるが、始まりと結果、そのどちらにおいても正反対の様相を呈している。大きな期待と共にスタートしたにも関わらずそれに応えられず失墜したColor。ローンチ時には話題はなかったものの今や誰もが使っている大人気アプリとなったinstagram。Colorは自動的にネットワークを作り出すという点においては今までにないアイデアであり、とても興味深いサービスであるが、そのやり方に問題があったのではないだろうか。

サンフランシスコの状況

こちらは、毎日のように新サービスがローンチされては姿を消していく。生き残るのはほんの一握りだ。btraxが共同開催社として毎回参加しているSF New Techはここ最近、月に二回開催されている。毎回5-6社が新サービスのデモを行うのだが、毎度そのサービスの多さと完成度の高さに驚くのと同時に、これはあのサービスと似てるな、あのサービスの競合になり得るな、と思うことが多く、いかに同じようなアイデアが生まれているかがわかる。今日もどこかで新たなサービスがローンチされているかもしれない。アイデア自体に意味はなく、それがサービスとして形にならなければ評価すらされない。 それゆえ、よっぽどのことでなければサービスが単にローンチされただけで話題になることなどほぼ不可能に等しい。サービス内容−「何か」よりも、そのメンバー達−「誰か」に投資するというシリコンバレーの「悪しき」とも言うべき習慣が働いているのかもしれないが、Colorのようにプレローンチ段階で巨額の投資を受けられるようなケースはまれだ。通常であればデモイベント等で地道にPRを進め、それがメディアや投資家の目に留まり、ユーザに届くようになる。

日本との比較

サンフランシスコと比べてみた場合、日本から生まれるサービスはある意味危ない。日々数えきれないほどのサービスが生まれるサンフランシスコとは違い、日本発のサービスはその母数の少なさもあってか、アイデア段階で淘汰されることがまず無い。また、ユーザの間で話題になる前に、そのサービスが例えリリース前でもメディアに掲載されて話題になることがしばしばだ。日本国内に限った話かもしれないが、使い方や具体的な用途が理解される前にまず名前やイメージだけが独り歩きしてしまい、どうしても話題先攻型になりがちである。するとやはり多くのユーザはその面白さを実感する前に、そのサービスに対する期待値を知らず知らずのうちに上げてしまう。一度上がってしまったハードルはなかなか下げることが難しく、その期待に見合ったサービスでなければユーザは徐々に離れていくだろう。その上、日本にはサンフランシスコのようなスピードはまだない。プランニングの段階からリリースまでに6ヶ月もかかるようでは、海外の競合には太刀打ちできない。ユーザの期待に迅速に答えることが必要不可欠なのだ。

 

スピードが速いと言われるサンフランシスコやシリコンバレーのスタートアップ業界では、アイデアが生まれてからローンチまでが速ければ、同様にユーザがそのサービスに期待を寄せてから飽きがくるまでも速い。Y Combinatorのファウンダーであり、Hackers&Paintersの著者でもあるPaul Grahamは言う。「少数のユーザに愛されるほうが、多くの人に好かれるよりも良い。理想的には、多くのユーザに愛されたいだろうが、すぐにそうなるとは期待できない。はじめのうちは、未来のユーザの一部のニーズを完璧に満たすか、または未来の全ユーザのニーズを部分的に満たすか、どちらかを選ぶことになる。前者を選ぼう。」と。一過性のブームとしてではなく、本当にサービスを愛してくれるユーザをふやすことが存続の鍵なのだろう。日本から海外マーケットへ挑むスタートアップの数を増やし、スピードを上げ、コアなファンユーザー獲得ができれば、まだまだ勝機があるかもしれない。


モバイル専用ブラウザー・ドルフィンの勢いが凄い

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main先日、友人よりSoftBankのシャープ製Androidのテスト機を試してほしいとの連絡が入った。彼女はサンフランシスコにて、MoboTap社のマーケティング等を手伝っている。話によると、MoboTapが開発・展開しているスマートフォン向け専用ブラウザー、ドルフィン(Dolphin)が8月の下旬よりSoftBank社のAndroid形態009SHに標準装備される事になったという。

このドルフィンというブラウザーは後述のユニークな機能を備えているのが特徴で、スマートフォンブラウザーとしてのシェアをものすごい勢いで伸ばしている。それ以上に特筆すべき点としては、MoboTap社は元々中国、北京ベースの中国の企業であったが、シリコンバレーに進出し、インターナショナルな企業へと変貌を遂げた。それによりユーザーベースの80%をアメリカから獲得する事に成功した上に、今年の7月にシリコンレーのセコイヤキャピタル等の大手VCから$10mの資金調達にも成功。現在では同社はサンフランシスコ/シリコンバレーの会社という認識が定着しており、セコイヤからの投資を受けた事により、名実共に、外国の企業がシリコンバレーへ進出し、大きな成功を遂げた良い例である。

友人の話よると、SoftBankがドルフィンに注目した理由も、a. シリコンバレーの会社であり、実績がある事、b. アメリカでのユーザーベースが確立している事が最大のファクターであり、やはりアメリカ/シリコンバレーで成功するとグローバルな展開がしやすくなるとの事。また、日本市場向けの標準アドオンのDropBox, Evernote, Facebook, Twitterは全てサンフランシスコ/シリコンバレーの会社であるが、唯一mixiがその中に入っており、mixiが現在国際的なパートーな企業発掘に積極的に乗り出している事からも、今後の国際展開も注目される。ちなみにDropBox, Evernoteには上記のセコイヤが投資している。

肝心のドルフィンブラウザーであるが、当初よりモバイル専用ブラウザーとして開発され、モバイルデバイス向けに特化した下記の3つの機能が特徴である。

1. カスタマイズ可能なジェスチャーブラウジング

小さなモバイル画面の弱点をカバーする為に、ページの行き来を始めブックマーク作成や特定のサイトへの移動が画面上に指でなぞった文字や図形を通して行う。また、ユーザーが文字や図形を任意で登録する事で、ショートカットをカスタマイズする事が可能になる。実際に使ってみると、ジェスチャー入力からアクションまでに若干のタイムラグがあり、この辺が改善されるとより使いやすくなる印象。

2. ソーシャルツール等を追加出来るアドオン

もう一つのユニークなポイントとしては、ブラウザーに付属するツールをカスタマイズしてブラウジングエクスペレィエンスを便利にする、アドオンがある。得に気軽にページをシェアしたり、保存する事が出来るソーシャルアドオンが充実している。PC向けブラウザーのプラグインに近い感覚であるが、サイトを閲覧中に何時でもブラウザー内のツールバーから呼び出す事が可能なのが、使いやすい。今回のSoftBank端末向けに、Facebook, Twitter, mixi, Evernoteのアドオンが初期段階よりインストールされている。他にも約50程のアドオンを追加する事が可能であるが、未だに多くのアドオンが、一度Android Market経由でインストールする必要があるのが未だに不便な点である。

3. ブラウズ中に何時でも呼び出せるツールバー

上記のアドオンをブラウズ中の好きなときにスライドジェスチャーで画面右側のツールバーに呼び出せるのも便利。気に入ったページをソーシャルメディアでシェアしたり、自分用にEvernoteやRead It Later等を使って保存する事も可能。

ドルフィンブラウザーのプロモーション動画

 

ドルフィンに於ける主な統計:

最新の統計によると、ドルフィンブラウザーは日本語を含む16言語に対応し、世界中208の国と地域で利用されており、ユーザーの80%がアメリカ国内からアクセスしている。また、マンスリーで400万人、デイリーで100万人以上のアクティブユーザーを誇り、モバイルブラウザーとしてのアメリカでのマーケットシェアは15%、日本でのシェアは8.8%と発表されている。同ブラウザーを開発・展開しているMoboTap社はサンフランシスコと北京にオフィスがあり、スタッフの総数は約100名。

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ここ最近は加速度的に日本のIT企業が海外進出、それもサンフランシスコ/シリコンバレーへの展開を目標に積極的に動いているが、実は中国企業が既に幾つかの成功例を成し遂げている。友人にそのポイントを聞くと、”極力From Chinaとはバレずに、誰もが元々シリコンバレーエリアの会社だと思ってもらえるブランディングイメージ構築に尽力している。” との事。近年From Japanのブランド力も随分と低下している事も否めないので、日本企業も最初からアメリカ市場狙いで行くのも良い方法論である。

筆者: Brandon K. Hill @BrandonKHill

 

優れた起業家に必要な10の基本資質

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Main Pic“起業家”と聞くとなぜがかっこいいイメージを持つ人が多い。アントレプレナーだと、なおさらクールである。特にシリコンバレーの起業家と聞くと、自由、イノベーション、大成功を連想する人もいるだろう。その一方で、アメリカでは新規立ち上げビジネスのほぼ9割が5年以内に消滅するという驚くべき事実もある。

多くの人が夢を野望を持ってスタートアップのチャレンジをする中で、成功を収められる起業家は極わずかである。良いアイディアや優秀な頭脳があっても、気質的に起業家に向いていないタイプの人も多い。スタートアップの成功率を見ても、恐らく世の中のほとんどの人は本質的に起業家に向いていないのかもしれない。その一方で世の中では”優秀”と評価されていなくても,強いリーダーシップとカリスマ性、行動力で優秀なチームを成功に導く人達もいる。そんな希有な存在ともいえる成功する起業家には、10つの共通した考え方、性格、物事の捉え方、行動パターンがある事が分かった。これから自分でビジネスを立ち上げてみようと考えている方はに参考になればと思う。

成功する起業家の10の共通点とは:

  • 自信を持っている: 起業家たるもの、日々の問題やチャレンジに対して確固たる自信で望まなければならない。また、ビジネスに於けるリスクを取る為にも自分と会社に対しての十分な自信が必要である。
  • ビジネスチャンスに目を光らせている: 市場のニーズにいち早く気付き、それをビジネスチャンスに変換するには、日々の何気ない瞬間に対しても、常に鋭い視点が必要とされる。
  • 失敗や挫折から学ぶ: 有望な起業家はネガティブなフィードバックも恐れない。また、間違いや失敗も全て成功への糧と考える事が出来る。
  • 自制心が高い: 経営者になると、日々に於ける全ての事柄が自由になると同時に、自分で自分をコントロールする必要がある。怠けたりプライオリティの低い仕事をする事を避け,自身の心を制御し、会社にとって最も重要なタスクへのフォーカスがポイントになる。
  • お金以上に仕事が好き: 多くの優れた経営者は無給もしくはわずかな報酬でも長時間のハードワークに耐える事が出来る。これは、モチベーションの源がお金ではなく、その仕事が大好きであり、自分の限界まで挑戦するチャレンジ精神が旺盛であるからである。
  • 独立心が強い: ほぼ全ての起業家は人の下で働くのが嫌いである。それと同時に、リーダー故の孤独にも耐える事が出来る精神力を持ち合わせている。
  • 決断が早い: 起業家になった以上決断に長い時間を掛けていては勝負に勝てない。短時間で冷静な判断を下す事が要求される。たとえ間違った決断でもチャレンジを下す事は、判断を避けるよりもベターである。
  • 変化を受け入れる: ビジネスに於けるめまぐるしいマーケットトレンドの変化に即座に適応する必要がある。また、優れた起業家は既存のテクノロジーやトレンドに対して常に疑問を抱き、変化を自ら造り出す勇気を持っている。
  • ポジティブ思考: ビジネスを行う上では浮き沈みはつきものである。そんな中で、初心を忘れず、業績の悪さを気にせずに、前向きに最終ゴールを見失わないポジティブさが必要とされる。どんなにスタッフが暗くなっていても、経営者は毅然としていなければいけない。
  • 諦めない: 起業家にとって、最も重要な気質が諦めないという事。英語で言う所の”Persistence.” しぶとく、粘り強く、成功するまで諦めなければ必ず成功する。成功への執念が明暗を分ける事になる。


さらにボーナスポイント:

  • 体が丈夫で健康である
  • 精神が安定している
  •  聞き上手
  • お金の管理が上手


まずはこれから-成功する起業家になる為の3つのステップ

  1. 現実的に達成可能なゴールを設定する
  2. スタッフや周りの人に影響を与え、やる気を起こさせる
  3. スタッフを信じ、大きな責任を与え、仕事を割り振る

 

筆者: Brandon K. Hill (btrax, Inc. CEO)

 

撮った後で焦点を変えられるカメラ-Lytroを使ってみた

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main-pic今年の始めにシリコンバレーのスタートアップが全く新しいコンセプトのカメラの発売を開始した。Lytro(ライトロ)と呼ばれるこのデバイスは、その見た目、コンセプト、機能、そしてユーザーに提供するエクスペリエンスが既存のカメラとは全く異なっている。その違いが最も顕著に現れているのが、Light Field capture (ライトフィールド)というテクノロジーを活用する事で、撮ってから焦点を決められる所。カメラの中に小さなレンズを何百枚も搭載する事で実現したこのポイントに関しては、2月29日の発売以来、多くのメディア等にて話題になっているが、実は他にもスタートアップならではの注目するべき点が多々あると思ったので、ご紹介する。

全てに於いて既存の”カメラ”を覆すユーザーエクスペリエンス

このデバイス、その購入方法からパッケージング、機能、利用シーン、ファイルの活用方法まで、ユーザーに与えるエクスペリエンスが、既存のデジカメや一眼とはかなり異なっている。

購入はオンラインのみ

購入方法はハードウェアとしては異例の、オフィシャルサイトからのオンライン販売のみとなっている。実物を試す事が出来ない上、オーダーごとの受注生産になるため、4月の購入時点で3ヶ月待ち。なお、現在の所はアメリカ国内での販売のみ。しかもオーダーする際にはFacebookログインもしくはオンラインでのアカウント登録が求められる。目的はECのアカウント作成ではなく、購入後デバイスを利用する際にユーザーアカウントが必要とされる為。購入する際には下記のスクリーンで制約事項への同意とアカウント作成に関してのポップアップが表示される。この辺は全体的にまるでWebサービスにサインアップしている錯覚すら受ける。

2nd

Appleライクなパッケージ

実際に送られて来たデバイスのパッケージは、見るからにAppleっぽい。紙製の箱にはプロダクトのロゴと写真。開けると上の部分にカメラ、その下にケーブルや説明書が同封されている所などは、iPhoneと同様のスタイルのパッケージングを行っている。 3rd

まったくカメラの形をしていない

上記の写真でも分かる通り、デバイスが全くカメラに見えない。一見、直方体の筒にしかみえなく、マグネット式のレンズカバーがかかった状態だと、これがカメラである事は一切分からないレベル。ちなみに大きさは、4cm x 4cm x 11cmの片手で持てるサイズだが、形状的にかなり滑りやすいので、ストラップがアタッチされてる。

シンプルなUI/UX

見た目だけではなく、そのUI/UXもかなり既存のカメラの常識からはかけ離れている。まず、ボタンと言えるものは二つしかない。電源ボタンと、シャッターボタン。そして電源ボタンを押さなくても、シャッターを押すだけで電源が入る仕組み。その他の設定等は、裏側の1.5インチのLEDタッチパネルより行う事が可能。この辺のUXスキームもほぼiPhoneに近い。実は、それ以外にもシャッターボタンの近くに横向きに指でなぞるとズームが可能なセンサーがついているのだが、かなりわかりにくく、気づくのに1週間程かかった。削れる所はとことん削っている所もシリコンバレースタイル。

取り込んだ写真はパソコン専用ソフト&Webサイトと連動

Lytroからの写真ファイルを取り込む方法は、デバイスを付属のマイクロUSBケーブルで直接パソコンに繋ぐ。メモリーカードは無い。最初に繋いだ際には、カメラに内蔵されている専用ソフトが自動的にパソコンにインストールされ、ログインする事で写真の取り込みがスタートする。そして、この専用ソフトはほぼiPhotoにそっくりである。 5th4th

写真はソーシャルメディアでシェアされる事が前提

取り込んだ写真はLytro専用のファイル形式である為に、そのままだと利用方法がかなり限られる。JPGにエクスポートする事も可能であるが、撮った後の焦点変更が出来なくなる。そこで、専用サイト、Facebook, Twitter, Google+, Embedによるネット上にてシャア。専用ソフト内での写真ファイルを右クリックする事でシェアオプションを選べる様になる。なお、その際は彼らが提供するWidgetを通し、画面上の写真をクリックする事で焦点やズームを変えられる。ちなみにLytro使用によるサンプルファイルはこちら。

ロックバンドとスタートアップ、15の共通点と成功法則

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main-pic先日のTokyoOtakuModeのあたかはじめさんによるこちらのポスト「芸人の世界とスタートアップ、15の共通点と成功法則」にインスパイアされて、一つ書かせて頂きます。前々から感じていたのですが、サンフランシスコ界隈のスタートアップの動向を見ていると、その成り立ちや役割,成功失敗の経緯等がロックバンドの世界と酷似している事に気づきました。 元々ロックスターに憧れて、なり損なった自分自身の偏見もあるかもしれませんが、簡単にまとめるとこんな感じです。

1. ガレージでスタート

英語で「ガレージバンド」という表現がある様に、アマチュアロックバンドはスタジオを借りるコストを惜しみ、ガレージで練習を行う事が通例となっています。同じように、appleやHPのように多くのスタートアップが自宅のガレージをオフィスに改造しスタートする。

2. リリースが大切

どちらも一番重要な時期はリリースです。曲もプロダクトもリリースのタイミングにフォーカスをして制作を行います。リリース後は市場の反応やその結果を見て、次のリリースの準備を行います。

3. パートの担当ごとに役割分担

ギター、ボーカル、ドラム、ベースの用にスタートアップでも役割分担が重要になります。ビジネスマンとエンジニアのB’zのようなデュオも良いが、やはり理想的なのは、CEO, CTO, CFO, CMO等を集めたバランスの良いハーモニーのあるチーム。余裕があればキーボード的存在のCreative Directorの追加をオススメします。

4. リーダーがとても重要

チームの中ではファウンダーにあたるリーダーの存在がとても大切です。会社やバンドの方向性を決めて、メンバーをまとめ突き進む。困難に直面した時には気合いで乗り切る。組織作りの基本は信頼して、任せて、そこんとこヨロシク。

5. 日々ステージでピッチ

サンフランシスコはスタートアップ系のイベントがとても多く、ほぼ毎晩どこかで複数のスタートアップピッチが行われています。それはまるでロックバンドがバーやクラブでの対バンライブさながら。そしてその場数が多ければ多い程、プレゼンが上手くなり、オーディエンスからのフィードバックを元にプロダクトが改善される。もちろんピッチを行っているチームの数が多ければ多い程、切磋琢磨されその中から世界に出てくるサービスが生まれます。

6. 型破りな考え方が必要

スタートアップに必要なのは、既存の概念を覆す、型破りな考え方。それはとてもロック的。今までの考え方や仕組みに一石を投じ、破壊から生みだされる創造が両方の共通点。

7. 腕前一つで成り上がれる

技術やアイディアがあれば、学歴なんて無くたって、裸一貫から成り上がる事が出来る。スタートアップの起業家における大きな醍醐味の一つです。それはまるでハイスクールを中退した不良少年がロックスターになるプロセスに近い。

8. ジャムセッション/コラボが活発

ロックの基本はジャムセッション。見知らぬミュージシャンが出会いその晩かぎりの即興演奏をしたり、意気投合してバンドを形成したり。同じくスタートアップもイベントやCoworking等でアイディアや技術を出し合ったコラボプロジェクトが頻繁に行われます。キーワードはオープンであることと、ジャンルを超えた自由な発想。

9. 服装はTシャツとジーンズが基本

スタートアップの正装はTシャツとジーンズ。それも自社のロゴが入ったものであればよりベター。そして、その会社のファンが増えるとロゴ入りTシャツがノベルティとしての価値が生まれる。ロックバンドのロゴの入ったTシャツも人気アパレルのカテゴリーとして確立しています。

10. 数ある中で成功するのはほんの一握り

サンフランシスコやシリコンバレーは優れた起業家やスタートアップが沢山あるイメージかもしれませんが。実は鳴かず飛ばずの会社がその何十倍もあります。世の中に出て有名になって成功出来るのは全体のほんの一握りに過ぎず、多くの場合が日の目を見ずに消えてしまいます。

11. 一発屋多し

たとえ成功しても一時のブームで終わってしまう事も多い。今から考えると、そういえばなんなサービスあったな、と思う事も少なくありません。一時のみの大きな成功を収めたMySpaceしかり、鳴り物入りで話題になったColorしかり、スタートアップもロックバンドも、多くの場合が兵達が夢の後。

12. プロデューサー的存在

音楽の世界には敏腕プロデューサーが多くのヒット曲を手がけているように、成功しているスタートアップの裏には必ず優れたメンター役が存在する。最初は若者達の勢いだけで突っ走るが、継続的にヒットし続けるにはやはりメンター/プロデューサー的存在は欠かせません。

13. VCはレコード会社的存在

アマチュアロックバンドがレコード会社との契約を目標にしているように、多くのスタートアップにとって最初の目標は資金調達です。 しかし、メジャーデビュー/資金調達は一つのステップに過ぎず、そこからどれだけヒットを出せるかが勝負になります。

14. 契約内容が大切

たとえ大きなヒットを出したとしても、レコード会社や投資家との契約内容次第では本人達の取り分があり得ないぐらいに低いケースがあります。プロダクトを作る事ばかりに夢中にならずに、契約内容のご確認をオススメします。

15. やっぱり海外を目指したい

スタートアップもロックバンドも、夢は大きく、最終的には世界を舞台に活躍したい。国内の成功だけでは物足りない。やはり世界のXXXと呼ばれてこそ真の成功者です。

まとめ

成功したスタートアップをロックバンドに例えるとして、Googleがビートルズなら、Facebookはローリングストーンズ。ラリーペイジがジョンレノンなら、セルゲイブリンはポールマッカートニーで、さしずめマーク・ザッカーバーグはミックジャガーと言ったところでしょうか。 ちなみに某バンドの曲によると、サンフランシスコはロックで出来ているそうです。(We built city on Rock n’ Roll). 恐らく今後もどんどん新しいスターが出てくるのが楽しみです。

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世界の舞台に立ちませんか? 第5回 SF Japan Night開催決定!

jpnあなたも世界を舞台にロックスターになりませんか? 日本のスタートアップがサンフランシスコでピッチを行う、SF Japan Nightの第5回が下記の日程で開催されることになりました。今回はStartup Weekendとのコラボも決定。現在出場チームを募集中です。スタートアップに限らず、企業の社内プロジェクトや個人での参加もOK. Webサービス、モバイルアプリ以外にも、ハードウェアでも可能。詳しくは公式サイトをご参照ください。

 

【第5回 SF Japan Night開催情報】

東京予選: 2月9日(日)予定

サンフランシスコ本戦: 3月5日(火)予定

応募締め切り: 12月31日

応募費用: 無料

応募方法: 公式サイトの申し込みページから

問い合わせ: japannight@btrax.com

 

 

筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.

 

ベンチャー企業とスタートアップの違い

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main-pic「スタートアップという単語をよく聞くのですが、ベンチャー企業の事ですか?」と尋ねられる事が多い。最近でこそイベントやメディア等にて”スタートアップ関連のXX”の名称で少しずつ使われている呼び名ではあるが、日本ではスタートアップの本来の意味がイマイチ浸透していない。 純粋に新しく出来た会社をスタートアップと呼ぶべきか? それとも、理論的に設立6年以内で従業員50人以下の比較的歴史の浅く小規模な会社を総称するのが良いのか? もしそうであれば、その場合は恐らく日本語でいうところの”ベンチャー企業”とほぼ同じ定義のように思われる。

しかし、実はアメリカで”Startup”と呼ばれるかどうかは、会社の設立年数や規模はあまり関係無い。むしろどんな事をやっているかや、どんなチームで構成されているかを中心に、その存在目的や組織の構成、成長スピード、収益方法、目指すゴール等の内容において一部の特殊なタイプのものをスタートアップ (Startup) と呼ばれる。それ以外の新しい、もしくは小さな会社は単純に中小企業 (スモールビジネス) と認識される。

そして日本でのいわゆるベンチャー企業のそのほとんどはスタートアップというよりもむしろ上記のスモールビジネスに近い。それ故に日本で純粋な意味での”スタートアップ”は非常に少ないと思う。では、スタートアップを構成する幾つかの特殊要素を挙げ、新規企業の総称であるベンチャーとの違いを考えてみたい。

ベンチャー企業 vs スタートアップ

そもそも”ベンチャー企業”という単語は日本人が作った和製英語で、通常英語で”Venture”と言うとVenture Capital (VC) など投資をする企業や人を指す。よく英語でのピッチの際に”We are a venture company”と紹介している方を見るが、おおよそ理解してもらえてないだろう。ちなみに英語で”venture-backed company”という表現があるが、これは”VCから投資を受けている会社”の意味である。

恐らく日本では新しく出来た小さな会社を総称してベンチャー企業と呼ぶ。しかし、アメリカではその存在目的や組織の構成、成長スピードを主なファクターとしてスタートアップと見なされるか、中小企業と認識されるかが変わってくる。

スタートアップとは?

スタートアップを一言で表現すると、“新しいビジネスモデルを開発しごく短時間のうちに急激な成長とエクジットを狙う事で一攫千金を狙う人々の一時的な集合体”である。これは、市場においてある程度受け入れられると確信が得られたビジネスモデルを適用して事業展開を行う事で、日々の安定した収益と長期成長を目指すスモールビジネス的ベンチャー企業と比べても大きな違いがある。

存在意義

起業家がスタートアップを立ち上げる理由として最も多いのが、“今までに無いイノベーションを通じ人々の生活と世の中を変える事”である。ここで重要になるのがスタートアップにはイノベーションが必ず必要で、既に存在する他の会社が提供している商品やサービスと同じ内容のビジネス展開を目指すだけのスタートアップはほぼ存在しないという点。どんなに若く勢いのある会社でも、イノベーションと社会貢献を存在意義としていないベンチャー企業はスタートアップではなく中小企業に近い。ちなみに、スタートアップにおけるイノベーションの重要性はこちらの500 StartupsのGeorge Kellermanのスピーチでも説明されている。

組織形態

スタートアップの最も特異な点はその組織形態であろう。立ち上げスタッフはファウンダーと呼ばれ、その他のスタッフも合わせてチームと呼ばれる。実は彼らの中には既存の企業で必要とされる、いわゆる”組織”やシステム、そしてプロセスは存在しない。チーム全体が一丸となって急激なスピードで物事を進めるため、全員が攻めに徹する“完全ぶっこみ型カミカゼチーム”が構成される。実は立ち上げ後しばらくの期間は法人登記すらしていないケースも珍しく無く、それでもメンバーさえ揃っていれば立派にスタートアップと呼ばれる。

ファウンダー含めメンバーの多くが未熟な若者だけで構成される為、勢いはあるが、長期戦に耐えられないケースが多い。そして、おおよそ彼らは社内教育制度の全く無い、能力勝負に偏った”即席”チームであり、短時間のうちのその形態が大きく変化する事も少なく無い。従って、即戦力になる人間しかスタートアップは採用しない。この辺は長期的な成長を目標にバランスの取れた組織とスタッフの成長、無理の無い社内プロセスを重視する中小企業とはかなり違いがある。

ちなみに最近のスタートアップを構成する為の最小チームはハッカー(開発担当)ヒップスター(デザイン担当)、そしてハスラー(ビジネス担当)とされ、そのチームメンバーのクオリティーがVC等からの資金調達を行う際の大きな判断材料となる。

ビジネスモデル

そしてビジネスモデルであるが、そもそもスタートアップには最初からしっかりとしたビジネスモデルがある事はほぼ無いと言ってよいだろう。むしろ、スタートアップにとっての一番最初の仕事はビジネスモデルを見つける事に他ならない。既存のビジネスモデルをベースに展開する中小企業的ベンチャーと比較すると、レシピに沿って美味しい料理を作る vs 新しいレシピを考案する、ぐらいの違いがある。

スタートアップのファウンダー達は思いつきとも言える複数のアイディアから、もしかしたら当たるかもしれないと思われるものを採用し、資金調達をし、プロダクトを作成してみて市場の反応を見ながらダメそうだったらすぐに方向転換(ピボット)を行い最適なビジネスモデルを模索しつづける。そして多くの場合、鳴かず飛ばずで終わり、最悪の場合チームが解体される事も少なく無い。実にスタートアップの約90%が失敗する理由である。ある程度日銭を稼ぐ事ができる目処が付いている事の多い日本のベンチャー企業と比べてもかなり極端な違いである。

収益モデル

上記の通り、ビジネスモデルが確定していないスタートアップはもちろん日々の収益の目処がたたない。多くの場合はしばらくのあいだ日銭が稼げないため、立ち上げ時に外部の投資家から当座の資金を調達し、ビジネスモデルを模索する。その後方向性が定まった時点で2度目、3度目の資金調達を繰り返し、最終的なエクジットを目指す。

スタートアップは最終的にIPOやバイアウト等を通じ大きなリターンを収益モデルとして狙うため、それまで売り上げがゼロであるケースも少なく無い。投資する側から見ても、最も重要なのはエクジットプランとその規模であるため、それまでの売り上げに対してはあまり気にしない場合が多い。

この辺も日本のベンチャーは日銭が稼げないとなかなか続けさせてもらえないので、スタートアップ型のビジネスを続けて行くのが困難な要因である。エクジットの規模が比較的小さな日本市場ではベンチャー企業といえどもスタートアップ的展開が難しくなる。一方でアメリカの場合はGoogleやFacebookに代表されるような大きなリターンを達成したスタートアップが多く存在するので、エクジット時の一攫千金を狙った投資及びビジネス展開が可能になっている。

参考資料: スタートアップの定番収益モデル例: startup-finance

成長スピード

そして最後にスタートアップがスタートアップである為の最も重要なポイントがその成長スピードである。通常の企業が毎年数十パーセントの成長を目指すのに対し、スタートアップはエクジットプランを含め短期間での急激な成長が求められる。そしてチームは上記で説明したようにアンバランスな組織形態のまま突っ走る。スタッフ全員がなりふり構わず会社の成長だけを目指し我を忘れて突っ走る事が出来るため、急激なスピードでの成長を期待する事が可能である。

長期的な会社の体力と収益化を目指す中小企業と比べてみると、打ち上げだけにフォーカスした使い切り型ロケット複数回の再利用を目指すスペースシャトルとの違いといったところだろうか。ちなみに、去年Facebookに10億ドルで買収されたInstragramも実に買収当時でもチームの人数は10人ほどであった。

大きな資金調達をし、組織もかなり大きくなったGitHub社のCEOのTom Preston Werner氏は “あなたたちは本当にスタートアップなの?”の問いに対して下記の様に答えている。

スタートアップには色々な定義があるけれど、例えばポール・グレアムはこう言ってる。「めちゃくちゃな勢いで成長するのがスタートアップだ。」ってね。だからGithubもスタートアップだ。

CEOが自ら語った「イノベーションを起こすためのGithubの哲学」

 

スタートアップはクールでベンチャー企業はダサい?

上記のポイントだけを見ると、どうしてもスタートアップはクールでエキサイティングだが、ベンチャーはなんだかダサくてつまらなさそう、と思われがちである。しかし、それぞれの存在意義や目的が異なるため一概に言うのは難しいだろう。我がbtrax社もスタートアップ的勢いと面白さプラス、ベンチャー的安定感と組織作りを進めていきたいと思う。さて、あなたの会社はベンチャー企業?それともスタートアップ?

 

筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.

 

【ネットで気軽にオーダー】海外で話題のフード系サービス20選

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main-picオーガニック食材あふれるサンフランシスコ。毎日どこかで必ずファーマーズマーケットが開かれていて僕らはそれを通りすぎ、時にはそれに一旦立ち寄ってオフィスに向かう。アメリカ全体としてもよりおいしいものやオーガニック食材などに皆感心を寄せている。 その一方で、海外では意外とヘルシーな食べ物を見つけるのは難しい。スーパーで食材を購入し、自炊する事も出来るが、忙しい人達は外食かテイクアウトですましてしまう。そして意外と出前が少ないのも事実。日本と比べると海外での食生活はかなりバリエーションが少なく、不便である。

それらにニーズを感じ、新たなサービスを生み出した数多くの食品系スタートアップが注目を集めている。ピザ以外のデリバリーが乏しいアメリカでは、現在オンラインから手軽に食べ物がオーダー出来るサービスが大人気。家庭で手軽に一流シェフの料理が楽しめたり、オフィスやパーティーでのケータリングにも活用可能。また、日々の不摂生をいかに正していくかということに悩んでいる一人暮らしの男性にも有用的だ。

それぞれのサービスがユーザーのニーズに非常に柔軟に対応しており、長い契約を結べば月あたりの金額がリーズナブルになる。だからといっていきなり長期契約を結ぶ必要もなく、一ヶ月のトライアルから始められる。少しでも気になるサービスがあれば、軽い気持ちで一度ためしてみるのも手だ。それでは海外で話題のフード系サービスを幾つか見ていこう。

1.Blissmo

blissmo

ユーザーニーズ: 栄養豊富なオーガニックスナックを求めているが、どんなものを買えばいいのか分からない。様々な商品を月に一度、まとめて届けてほしい

ソリューション: 毎月、色々なブランドのオーガニック食品やスナックが自動的に郵送されてくる。値段によって、提供する量を選ぶことが可能であり、個人からオフィス(16-30人)まで対応している

価格形態: サンプルボックス/月 個人(1人) $39.95, グループ(2-5人) $99.95, チーム(6-15人) $189.90, オフィス(16-30人) $359.80

2. Cater2.me

Cater2.me

ユーザーニーズ: Googleの影響で最近のイケテルスタートアップ企業では無料で食事が提供されている。うちの会社も何とかしたい。

ソリューション: オフィスへの定期的なケータリングサービスを提供する。会社の規模でオーダーをしておくだけで、日替わりメニューが提供される。

価格形態: オーダーボリュームによって変動

3. Chewse

ユーザーニーズ: オフィスにいながら、お気に入りレストランの食事を味わいたい。仕事が忙しく、レストランに食べにいく余裕がない

ソリューション: オンラインでオーダーし、オフィスまで料理を届けてくれる。時間通りに届ける宣言など、仕事に追われるオフィスワーカーにとっては頼もしい付加価値も

価格形態:レストランが提供する価格によって変動

4. Craft Coffee

Craftcoffee

ユーザーニーズ: コーヒー豆を選ぶのも買いに行くのも面倒。かつ似たような味にも飽きてきた。プロフェッショナルが選ぶコーヒーも飲んでみたい

ソリューション: 定期的にエキスパートによって選ばれたコーヒー豆を家まで送ってくれる、Door to Doorサービス。価格もリーズナブル

価格形態: 年間 $19.99/月, 6ヶ月 $22.49/月, 月ごとの契約/$24.99

5. Delivery Hero

deliveryhero

ユーザーニーズ: 自宅やオフィスにいながら、世界各国の料理を食べたい

ソリューション: ユーザーによって、レストランメニューの中から注文された料理を自宅にデリバリーする。ドイツやフィンランドなど、世界各国に展開されている

価格形態: レストランが提供する価格による。別途サービスチャージは無し

6. EAT24

EAT24

ユーザーニーズ: 自宅にいながら、レストランの料理をいつでも食べたい

ソリューション: オンラインで好きなメニューを注文し、レストランから自宅までデリバリーしてくれる。24時間対応が魅力的だ

価格形態: レストランが提供する価格による。別途サービスチャージは無し

7. Food panda

Foodpanda

ユーザーニーズ: 自宅やオフィスにいながら、様々な種類の料理を食べたい

ソリューション: ユーザーによって、注文された料理を自宅またはオフィスにデリバリーする。ロシアやマレーシアなど、大きなグローバル展開をしているのも特徴的

価格形態: レストランが提供する価格による。別途サービスチャージは無し

8. Gowaiter.com

Gowaiter

ユーザーニーズ: 本場レストランの味を、自宅にいながら味わいたい

ソリューション: 電話またはオンラインで、好きなレストランメニューの中から料理を注文し、自宅まで届けてくれる

価格形態: レストランが提供する価格による。別途サービスチャージは無し

9. grubHub

ユーザーニーズ: 出前を取りたいがアメリカではデリバリーをしてくれるお店が少ない。近くのどのお店に連絡すれば良いかが分からないし、メニューも見当たらない

ソリューション: オンラインから食べたいものをオーダーし、希望レストランから料理がデリバリーされる。25,000店以上のレストランが登録

価格形態: レストランが提供する価格による。別途サービスチャージは無し

10. instacart 

instacart

ユーザーニーズ: 時間がなく、スーパーなどに食品類を買いにいけない。自宅からオンラインで食料品を買いたい

ソリューション: オンラインでセーフウェイやコストコなどの大型スーパーから食料品を買うことができる。さらに、一時間以内に届けてくれるなど迅速なサービス提供も

価格形態: オーダーボリュームによって変動

11. JackedPack

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ユーザーニーズ: 運動や筋肉トレーニングを効果的にするために、サプリメントを摂取したいが何を買ったら良いか分からない方。プロフェッショナルな人間によって選ばれたサプリを使い、日々の健康に気を使いたい

ソリューション: 月に一度、専門家によって選ばれるサプリメントを自宅にデリバリーしてくれるサービス。筋肉トレーニングや運動の効果を最大化するために、考え抜かれたサプリメント選びが素晴らしい。

価格形態: サンプルボックス $14.50/月, $87/半年

12. Just Eat

justeat

ユーザーニーズ: 自宅やオフィスにいながら、お気に入りレストランの料理を味わいたい

ソリューション: オンライン、もしくはスマートフォンから食べたいものを注文し、最寄りのレストランからユーザーのいる場所までデリバリーする。また、グローバル展開をしていることも魅力的

価格形態: レストランが提供する価格による。別途サービスチャージは無し

13. KlutchClub

Klutch

ユーザーニーズ: 身体にも気をつけなければならない日々の生活で、手軽に体調を維持したい。ただ自分でそれを探す気にはなれない

ソリューション: ヘルスケア製品を毎月自宅まで届けてくれるサービス。男性でも女性でも登録可能。気に入った製品は別でそのサイトから購入することができる

価格形態: 月 最大$18

14. Love with Food

Lovewithfood

ユーザーニーズ: お菓子はやっぱり手軽に食べたい。毎回選ぶのもいいけれど、たまには選んで送ってもらいたい

ソリューション: 月に一度、お菓子を家まで届けてくれるサービス。収益の一部は貧しい子どもたちに寄付される。かわいらしいデザインが特徴

価格形態: 年間: $10/月, 6ヶ月: $11/月, 月ごとの契約: $12/月

15. Mealeo

mealeo

ユーザーニーズ: 自宅で本場レストランの味をいつでも楽しみたい

ソリューション: オンライン上でレストランメニューの中から好きな料理を注文し、自宅まで届けてくれる

価格形態: レストランが提供する価格による。別途サービスチャージは無し

16. Munchery

ユーザーニーズ: 自宅にいながら、世界トップレベルのシェフが作った日替わり料理を定期的に食べたい

ソリューション: 世界トップレベルのシェフから提供される日替わりメニューを、ユーザーの自宅まで届けてくれる

価格形態: 提供される料理によって異なるが、$6-15が平均的

17. Seemless

ユーザーニーズ: 地元レストランの料理を食べたいが時間が無くて行けない、行くのが億劫だ。または、地元レストランの美味しさを自宅やオフィスで気軽に味わいたい

ソリューション: オンライン、もしくはスマートフォンから食べたいものを注文し、最寄りのレストランからユーザーのいる場所までデリバリーする。全米40都市、10,500のレストランが登録

価格形態: レストランが提供する価格による。別途サービスチャージは無し

18. TurntableKitchen

ユーザーニーズ: 毎日何を作るか、何を食べるか考えるのが面倒。特に新婚等であれば、それと同時に雰囲気も楽しみたい

ソリューション: 日替わりでレシピとその料理に合った音楽を紹介してくれるインターネットサービス。日々の料理だけでなく、食事のトータルコーディネートを提案してくれる

価格形態: 特になし

19. ZeroCator

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ユーザーニーズ: オフィスやイベントでケータリングを頼みたい。でも彼はあれが嫌いで、上司はこれが嫌いで、そんなことを考えてメニューを選ぶのは大変

ソリューション: オフィスなどへランチを届けてくれるサービス。事前に好みを伝えておくことで、それに合わせたメニューで対応してくれる

価格形態: オーダーする人数によって変動

20. BarkBox

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ユーザーニーズ: 愛するわんちゃんのために、ごはんやおやつを与えたいが、何を買ったらいいか分からない。毎回買いにいくのが、面倒くさいので、定期的に届けてくれるサービスが欲しい

ソリューション: 犬の大きさに合わせて月に一度、スナックやドッグフード、遊び道具などを自宅まで届けてくれる。定期的に、様々な商品をわんちゃんに提供できることが、ユーザーの継続的な購買に繋がる

価格形態: $19/月

 

まとめ

上記の食品系サービスの共通点として見られるのは、忙しくて自宅やオフィスからサービス提供を受けたいと願うターゲット層を想定していることだ。食品オンラインオーダーサービスの発達によって自宅とレストランなどの距離的、時間的問題が解決され、さらに様々なレストランの存在や食品のトレンドが身近に感じられることだろう。

食品オンラインサービスがあまり密着していない日本とは事情が少し異なり、アメリカでは既に上記のような食品系スタートアップ市場が盛り上がっている。しかしながら、日本独自の「出前文化」を土台とし日本市場でも近い将来、フード系スタートアップのサービスが興隆することは間違いないだろう。

 

連続起業家に学ぶ:成功するビジネスモデルの作りかた

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PPG_burokkunoomocya

PPG_burokkunoomocya世はまさにモバイルインターネット時代。いい製品さえ作れば顧客もビジネスモデルもついてくると思っている起業者がますます多くなった。いわゆる製品至上主義だ。しかし、シリコンバレーの連続起業家であり、スタンフォード大学の起業アドバイザーでもあるスティーブ・ブランクとイノベーションワークスCEOのカイフ・リによると、ビジネスモデルこそが事業成功のために骨組みとなる。以下の記事は、2人が起業家たちの質問に答えたインタビューをまとめたものである。どれも基本的なことではあるが、原点に立ち戻って目的を明確にすること、モチベーションを継続させることの大切が改めてうたわれている。

はじめに、成功するビジネスモデルを作るときの基本的なプロセスとして、以下の手順が紹介されている。

  1. 仮説を立てる|製品はどうやって価値を加えるのか、お客さんにどんなサービスを提供するのか、ターゲット客はどんな人なのか。そういった問題を解明する必要がある。このプロセスは主にオフィスで行われる。
  2. 実験で仮説を検証する|起業家たちはオフィスから出ていき、たくさんのお客さんと膝を突き合わせ、各種の方法で自分の製品とビジネスモデルが実行できるか否かを確かめる。
  3. 有効な情報を取り出す|お客さんと交流しつつ、実用的なデータか否かを見極め、有効な情報を集める。そのデータで最初の仮説を繰り返し検証し、製品を改善し続ける。

スタートアップ企業の具体的なビジネスモデル構築については、こちらにも記述があるので参考にしてほしい。

Q:どのやってメンバーを選ぶか

ブランク:2つのタイプのメンバーが必要とされている。ある技能を持つ人と、困難にあったときも頑張り続ける人。後者が特に重要だ。悪いニュースがきた時、チームを確固な、粘り強いものにする存在が大切。

リ:お互いに補い、信頼でき、交流できる人。それに、物事を決める人物も必要だ。メンバーたちが株式を共有する場合、もし意見が食い違ったら、決断を下す明確なリーダーがいるのだ。利益配分もはっきりとさせたほうがいいと思う。

Q:市場でどうやって自分の競争優位点を見つけるか

リ:一つ目はトレンドを把握すること。トレンドに乗ったら、迅速に成長できる。例え最初が間違っても、調整する余裕がある。

二つ目は特長と興味のあるところに注目すべきだ。例えば、旅行分野での起業を考えているひとりが、実際に旅行に興味が無い場合など。こういったケースでは、情熱や知識不足のため起業の効果が大幅に下がる。

三つ目は細かい情報を手に入れること。投資したい起業者を選ぶとき、我々はいつもとことん問いただす。その起業家が競争相手、業界トレンドなどを徹底的に把握しているかどうかを確かめる。

Q:どうやって大企業と競争するか

ブランク:一見すると大手企業に統治されている市場にも、まだまだニッチな空間は残されている。例えば製品と製品の間で調和がとれていないところや、大手の利益に悪い影響をもたらす製品など。

リ:小さい会社は力を集中し、迅速に行動すべきだ。それに、合理的な方向を見つけ、トレンドを分析すべきだ。例えば当時イノベーションワークスがAndroidの関連製品に投資するとき、大手会社は力を入れなかった。もし大手がそれに注目したあと投資していたら、間に合わなかったのだ。自分を守って、トレンドを把握し、間抜けなことをしない。

Q:会社がクリエイティビティを重視しないとき、どうやって自分のクリエイティビティを保つか

ブランク:その会社をやめる!

リ:クリエイティビティにも種類がいくつかある。ビジネスモデルや技術の更新なども含まれている。例えばWechatは持続的なイノベーションだ。必ずしもアップルやグーグルのような破壊的なイノベーションでなくても、より広い視野からイノベーションを考え直せばいい。あるいは、持続的なイノベーションの積み重ねを試してみてもいい。破壊的イノベーションに固執しすぎるなら、あなたは大企業に合っていないのかもしれない。

Q:どうやって従業員たちの積極性を呼び覚ますか

ブランク:従業員としてではなく、夢を分かち合うような人として付き合う。同じ目標、同じ情熱を持たせるべきだ。従業員が従業員として単調に働いていれば、困難にあったとき、退却してしまう。

リ:困難にあったとき、CEOとして大手の攻撃に対して如何に抵抗するか、困難にどう向きあうのかを考えるべきだ。例えば他の大手企業との同盟を模索したり、会社の方向性を調整したりするなど。どうやったら士気を鼓舞するなどを考えるべきではない。そのときまだ従業員の気持ちが気になるのなら、事業は失敗してしまうだろう。

Photo by shiosio


見える化が加速する -【いまさら聞けない】データビジュアリゼーションとは??

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なぜいまData Visualizationか?

データビジュアリゼーションとは、データの「見える化」である。モバイルやウェアラブル端末、コンピュータ等から様々な情報がインターネットを介して蓄積されている今日、この「ビッグデータ」に新たな価値を見いだそうという動きが世界中に広がっている。ビッグデータのコンセプトは今年に入ってから急激に注目を集めはじめ、その価値に対する期待は高まるばかりだ。一方で、膨大なデータの中から有用な情報を抽出することは非常に困難であることも知られている。

「ビッグデータ」という語は今年新しくオックスフォード英語辞典に追加されたが、そこでは

big data [n]: data sets that are too large and complex to manipulate or interrogate with standard methods or tools(従来の方法では解析およびデータの理解が難しいような、膨大な量のデータ)

と説明されている。この無機質な数字の羅列から意味を見いだすため、また相関係数有意水準といった取っつきにくいコンセプトを平易に説明するためのツールとして、ビジュアル要素の重要性が唱えられている。

ひとことにビジュアリゼーションと言っても、そこには統計学に基づくサンプリングや仮説検定、トレンドの考察などビジュアルの製作以外の多くのステップが含まれており、ここで全てを説明することはできない。またビジュアル製作の段階にもいくつかの段階があり、インフォグラフィックの製作などもその一部でしかない。その一方で、ビジュアル要素はコミュニケーションのためのツールとして欠かすことはできない。そこで近頃はIllustratorやPhotoshop、ExcelやMatlabなどといった複雑なソフトを使わなくても、Web上でグラフィックを作ることができるツールがいくつも知られている。ここではビジュアル要素(グラフやマッピングなど)の製作の際に使えるツールインフォグラフィックの例などを紹介したい。多くのスタートアップ企業が参入しており、ホットな分野であることもお分かり頂けるだろう。

Image by Simon Cockell

データビジュアリゼーション小史

近代データビジュアリゼーションの紀元は1600年代にまでさかのぼる。初期の発展を支えたのはスコットランドのエンジニア&政治経済学者であったウィリアム・プレイフェア(William Playfair:1759-1823)。彼はStatistical Graphicsの生みの親であり、1786年から1801年にかけて、グラフィック要素の基礎となる折れ線グラフや棒グラフ、円グラフなどを次々に発案した。

その後、データビジュアリゼーション史において非常に重要とされる「ナポレオンのロシア侵攻」がシャルル・ミナール(Charles Minarsd:1781-1870)よって作り出された。この図では、5つのパラメータに関する情報(兵力の推移・地理的な位置・軍隊の進行方向・到着の予定地域と日程・気温及び時間の軸)が1枚の紙面上にまとめられている。厳しい寒さや戦争の長期化に伴い、兵力がみるみる減少していく様子が描かれている。

1900年以降、データ採取出版の技術の発展に伴って、教科書や書籍などにビジュアリゼーションが使われるようになる。アメリカのジョン・テューキー(John Tukey:1915−2000)が発表したマニフェストや、フランスの地図製作者ジャック・ベルタン(Jacques Bertin:1918-2010)によるバイブル書;図の統計学(Semiologie Graphique)の出版などによって、データビジュアリゼーションは学問分野として確立されていった。

言うまでもなく、ここ十数年間のコンピュータの発達インターネット技術によって、ビジュアリゼーションはこれまでにない程の発展を遂げた。ページ上でどんな言葉が多く使われているかを示す、タグクラウドやワードクラウドといったビジュアル手法も生み出されたほか、正確な地図上にデータをプロットするマッピング技術など、さまざまなビジュアル手法が試され、見せ方も多様化していった。スマートデバイスやウェアラブルを使うことで連続的なデータが無限に手に入り、またビジュアル作成のためのツールも揃っている今、そのデータをどう見せるか、いかに有効に使うかが問われている。

 

データビジュアリゼーションのサービス

1. Google Fusion Tables(Google Docs)

Fusion Tables

プラットフォーム|Webブラウザ

できること|データファイルをアップロードし、それを棒グラフや円グラフ、折れ線、ヒートマップ、散布図などに表示できる。Google Mapsを使って、地図上にデータを表示させることもできる。他のGoogle Docs同様、データはGoogleのサーバー上に保存される。APIも公開されている

すごいこと|グラフやチャートをはじめ、マッピング等も比較的簡単にできる。ジオコードを読み取って地図上に表示させることもできるので、データの扱いに慣れていない人やコーディングが苦手な人にも使いやすい。

いまひとつ|データやチャートの編集は(コーディング等を用いたアプリケーションに比べて)あまり自由が利かない。またデータ量が大きくなると動作が重くなる傾向がある。現時点ではGoogleの実験的プログラムであるので、今後の改善に期待したい。

リソース|サービスの紹介チュートリアルも。

2. Jolicharts

Jolicharts

プラットフォーム|Webブラウザ

できること|データをウェブ上にアップすると、スプレッドシートやJSON、またチャートやマッピングとして保存することができる。ダッシュボードからはシェアの設定が可能で、データ全体をシェアしたり、ビジュアルのみを共有したりすることができる。50MBまでのデータは無料で、有料(29ユーロ/月)のプランでは2GBまでのデータを扱うことができる。データはアマゾンウェブサービスのサーバー上に管理され、モバイル端末からアクセスすることも可能。

すごいこと|制作したビジュアルに簡単にアクセスできるダッシュボードがあるため、画のリサイズや色の変更などを一括して行うことができる。APIを公開しており、データを自動的に送りビジュアル化することも可能である。無料アカウントでも、ウェブ上のデータがパブリックになることはない。JSONへデータをエクスポートする際に便利。

いまひとつ|ビジュアルのカスタマイズ。

リソース|サイトにサンプルが用意されている。

3. Many Eyes

manyeyes

プラットフォーム|Webブラウザ

できること|IBMがつくり出したWebベースビジュアリゼーションアプリのパイオニア。樹形図、ワードクラウドやマッピング等を含む数十種類のビジュアルを返してくれる。フリーアカウントでデータをポスト・アップすることができる(同時にウェブ上で公開される)。

すごいこと|初心者にも使いやすいインターフェース。簡単な操作で美しいビジュアルができあがる。いくつかの選択肢の中から最適なビジュアルの形を教えてくれる機能もある。

いまひとつ|作業中のデータもパブリックになってしまい、第三者が簡単にアクセス・シェア・ダウンロードできてしまう。これは自治体や学校、NPOなどには便利な機能だが、その他の個人的なユーザーにとってはそうではない(企業に対してはIBMから別のサービスが用意されている)。データサイズにも制限がある(5MB)。

リソースデモが用意されている。

4. VIDI

vdi

プラットフォーム|Webブラウザ

できること|ウェブサイト上に表示させるグラフィックを生成してくれるサービス。データをアップしグラフィックの種類(チャートやタイムライン、マップなど)を選択すれば、HTMLページに表示するための埋め込みコード(iframe)を返してくれる。

すごいこと|Many Eyesと同様にシンプルで使いやすいインターフェースが特徴。MEに比べてマッピングのオプションが豊富にあることや、データがパブリックにならない点などではVIDIのほうが優れていると言える。データサイズの制限も30MBまでとMEの6倍となっている。

いまひとつ|ウェブサイト上に正しく表示させるために、サーバー側が対応しているかどうかを確認する必要がある(時折iframeが表示されないことがあるという)。

リソース|ビデオチュートリアル@VIDIホームページ

5. Statwing

statwing

プラットフォーム|Webブラウザ

できること|統計学が苦手な人にも使いやすくデザインされた解析・ビジュアリゼーションのサービス。データをアップロードし解析したいパラメータを選択すると、その属性やデータの大きさなどによって最適な解析方法を教えてくれる。サインアップは無料。

すごいこと|クラウドの情報から解析方法を提案してくれるシステムが特徴的。Excelにも検定などの機能はあるが使い方があまり知られていないので、Statwingのようにニーズに沿った解析手法が提案されるツールはデータの扱いをより身近で効率的なものにする。ExcelやSPSSなどに比べてより使いやすく、洗練されたグラフィックを返すことを売りにしている。

いまひとつ|将来的には無料アカウントの機能を制限し、$20-30/月程度の有料アカウントが設立される見通し。

リソースデモを試すことができる。

6. Datawrapper

datawrapper

プラットフォーム|Webブラウザ

できること|ウェブチャートなどのグラフィックを非常に簡単に作成できるサービス。スプレッドシートやCSVファイルなどからデータをアップし、チャートの種類を選択するだけでグラフィックとウェブページ埋込コードが生成される。もともとはドイツのジャーナリスト向けに作られたウェブアプリである。イタリア語や中国語には対応しているが、残念ながら日本語への対応は今のところない。

すごいこと|洗練された使いやすいUIデザイン。直感的にオペレートできる。

いまひとつ|チャートのカスタマイズ。軸の名前の表示位置などの基本的な要素も、デフォルト位置から移動させたり変化させたりするにはいくつかのステップを踏む必要がある。テーマカラーの選択肢も限られている。

リソース|分かりやすいチュートリアルがアップされている。

7. Zoho Reports

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プラットフォーム|Webブラウザ

できること|主にビジネスユーザー向けのビジュアリゼーションサービス。いろいろな形式のデータをアップすれば、Excelやスプレッドシートなどと同様に扱うことができる。

すごいこと|データのインポートの時間をあらかじめ設定し定期的にデータをアップロードすることができる。その後SQLを通して解析したり、ビジュアルの製作に使ったりすることができる。作ったビジュアルはウェブ上でシェアすることも可能(2人以上のユーザーがアクセスする場合には有料アカウントが必要となる)。

いまひとつ|ビジュアルのカスタマイズオプションは基本的なものに限られている。またウェブを介してデータにアクセスするときは、動作の重さが気になることがある。データのサイズは10MBまでに制限されている。

リソースデモサンプル素材@Zohoウェブサイト

8. Infogr.am

infogram

プラットフォーム|Webブラウザ

できること|棒グラフや折れ線、円グラフなどのチャートを、美しく簡単に作れるようにしたサービス。他にもワードクラウドや樹形図、マッピングなどもできる。HTMLコードも返してくれるのでWebページへの埋込みも可能。2012年にローンチしたばかりのスタートアップ企業であるが、知名度は高い。

すごいこと|グラフィックの完成度が高く、マウスオーバーに反応してデータを示してくれたりもする。テーマカラーやテンプレートなども多数用意されており、初心者でも簡単に美しいグラフィックを作り上げることができる。

いまひとつ|ベーシックなチャートに関しては申し分無いが、それを越える複雑なグラフィックとなるとあまり自由が効かず使いづらい。

9. Tableau Public

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プラットフォーム|デスクトップアプリ(Windowsのみ)

できること|簡単なものから複雑なものまで様々なビジュアルを製作できる。データを作業エリアにドロップすると最適なビジュアルがいくつか紹介され、そこからラベルやデータ範囲などいろいろな項目をカスタマイズできる。

すごいこと|ドラッグアンドドロップでデータの編集ができ、マニュアルでコーディングするよりも簡単に、手早くビジュアル化できる。ソフトウェア内で計算ができるので、生データからビジュアル化まで扱うことができる。

いまひとつ|インターフェースが初心者には比較的使いにくく、ソフトウェアのポテンシャルを理解するまでにはある程度の時間が必要。また無料バージョンでは、データはサーバー内に保存されている必要がある(個人向け有料バージョンは$999)。

10. Keylines

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プラットフォーム|Webブラウザ

できること|これは上に挙げた9つのサービスとは趣向が異なり、ネットワークを3D(または2D)で表示しその関係性を見えるようにするJSベースのWebアプリである。twitterなどSNS上でのつながりや、社内組織、会社どうしの関係性などをグラフィックとして返してくれる。iPadやスマートフォンなどにも対応している。UKベースのスタートアップ企業である(2011年創業)。ここに挙げたサービスの中では唯一有料のサービスである。

すごいこと|一見複雑に絡まっているような関係性も、見方を変えて整理することによって「影響力があるのは誰」「どこに情報が集中している」「誰と誰との関係が強い」などといったことが一目で理解できるようになる。GoogleMapsを操作するような感覚で整理することができ、いろいろなパラメータ(端点やリンクなど)もカスタマイズ可能。

いまひとつ|ライセンスや様々なオプションを購入することでアプリが使えるようになるが、限られたコストでどれだけの解析が可能か(コスト対効果) が不明瞭なこと。また数多く用意されたオプションをうまく使いこなせるかは疑問が残る。

リソースデモ動画を見るとすごさが分かる。

 

インフォグラフィック

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上に挙げたツールは「データの見える化」という観点では十分かもしれないが、「多くの人に伝える」ための道具としてはとても受動的で、デザイン的にまだ不十分な部分が多い。棒グラフや折れ線グラフだけを見てもおもしろくないし、そこに含まれている意味まで読んでやろうと考えてくれる人はごく少数しかいないだろう。またウェアラブルデバイススマートカーなどから得られる心拍数や血糖値、消費カロリー、あるいはブレーキのタイミングや運転のクセ、毎日のドライブ習慣などのように、直感的には分かりづらい情報を、あらゆる人に分かりやすく伝えるためには、やはり 楽しさや見やすさ=エクスペリエンスのデザイン も考慮しなければならない。

そこで見た目にも楽しく、難しい情報を身近に感じられるような(いわば図鑑や雑誌、新聞の日曜版のような)コミュニケーションのツールが必要である。そのツールとして再び注目を集めているのがインフォグラフィックで、ここでは統計/解析よりもデザインの要素がその多くを占める(厳密には上で描かれるようなグラフやマップもインフォグラフィックと分類されるが、ここでは図中に言葉での説明がなされ、それらを併せて説明が完結するような要素を指す)。ビッグデータのブームに併せて、それを直感的に説明できるインフォグラフィックにも関心が集まっているという図式だ。

Image by Billy Brown

よりよいインフォグラフィックで データを伝える

作り込まれたインフォグラフィックをひとつ見れば、タイポグラフィや配色だけでなく、情報量のコントロールや視線誘導に至るまで、デザイナーとして配慮する要素が非常に多く盛り込まれていることが分かる。一般に、分かりやすいとされるインフォグラフィックは以下のような条件を満たすとされている:

  • 複雑なデータを一目で簡単に分かるように表示したもの
  • 文字とグラフィックとを組み合わせることで、有用な情報、トレンド、パターンなどを明確に示したもの
  • 文字のみの情報よりも分かりやすいこと
  • 見た目に美しく「もっと知りたい」という気持ちをかき立てること

インフォグラフィックの紀元は古く、ウェブ上にもたくさんの資料がある。この記事の最後に、インフォグラフィックを扱うデザイン会社のページやまとめサイトのリストを用意したので、参考にしてほしい。

データビジュアリゼーションの先へ

テクノロジーが進歩したいま、データの表現方法は二次元のディスプレイ上にとどまらない。倉庫の奥にストアされていたようなデータも、光や音、触感などの要素を使うことによって、視覚のみのビジュアルよりも高次元のコミュニケーションツールを作り出すこともできる。例えば下のムービーのように、マシンの走行データが企業の歴史や技術力が凝縮されたブランディングプロジェクトとなることもある。

Ayrton Senna 1989 from dotslab on Vimeo

ビジュアルの製作は、データを理解するために重要なステップのひとつであるが、あくまでも理解を補助するためのツールであることを忘れてはならない。大量のデータ整理に取りかかる前に問題/仮説の提起があること、またビジュアルを用いた仮説の検証があって、初めてデータの理解に近づけるのである。「あ、カッコいいな」で終わることなく、見た人の行動や考え方を変えられるような、心に響くデザインを体現したい。

来月9月にボストンでデータビジュアリゼーションの学会も予定されている。 興味をもたれた方は参加されてみてはいかがだろうか。  

インフォグラフィックを扱う企業

まとめサイト

 

著者:井上 太郎 @nomusicnotaro

ルールにとらわれず躍進する3社が生み出すイノベーション

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main-pic今日はお金はいいわ。次に来たときに払ってね。」 小柄で赤茶髪、リリー・コリンズを思わせる濃いめの眉毛の女性にこの言葉をかけられたのは、サンフランシスコ市内のスターバックスでコーヒーを買った時だった。 コーヒーを頼んだ後に財布を持っていない事に気づいた私に、その女性スタッフはにこやかに無料でコーヒーを渡してくれた。もちろんそれからほぼ毎日そのスタバには通っている。

彼女が行った”客に無料でコーヒーを提供する”ことは、会社にとって本来予期されている行動ではない。もしかしたら規則違反かもしれない。それでも彼女はスターバックス社のミッションである”お客に感動経験をもたらす”を見事に実現している。「彼女のように行動したい。でも制度が気になって動き出せない。」という経験はないだろうか。自分の思いついた事業が社会制度や法律に触れるかもしれないと、一歩を踏み出せないでいる人も多いと思う。

その一方で、世の中の人が躊躇しているうちに大胆なアイデアをビジネスに転換し、大きな成功を収めている起業家も多い。Pinterestは合法なのかでも取り上げたように、シリコンバレーでは厳密には合法ではないサービスを提供しているスタートアップが相当数ある。

 

イノベーションと制度の関係

イノベーションの結果生まれたサービスがたとえ制度のグレーゾーンにあったとしても、それが本当に素晴らしいサービスならば断行してしまうのがシリコンバレー流。その後、制度との擦り合わせをしながら急成長を遂げてゆく。 今回は社会制度や法律との関係が話題になっている三社を紹介し、そこで感じた想いを伝えたい。

airbnb

airbnb 日本でも利用され始めているairbnb。一般の個人宅を貸し借りする事ができるこのサービスはアメリカでは大人気だ。貸す側は空き部屋を有効活用でき、借りる側は安く部屋を借りることができる。(詳しくはシリコンバレーのキーパーソン3人が語る、次世代イノベーションとは

その人気の一方でニューヨーク州が「30日未満で貸し手が同居しない場合は違法」と定め、早速貸し手が$2,400を罰金されるなど法的制度の風当たりは強い。

その風当たりにも関わらず、2013年の売上は440億円を超えるという予想だ。なぜこれまでに成長し、ユーザーが増え続けるのか。それは人々が本当に求めているものを創設者たちが的確に見つけ出し、それを具現化する情熱を持ち続けているからだ。事実、airbnbは上記の罰金された貸し手を保護している。「借りる側に安価な宿を見つけてもらい、貸す側に場所を有効活用してもらいたい」という想いがこのサービスを生み出し、成長の要因になっている。

airbnbの懸念事項

  • 短期の貸し出しを恒常的に行うならホテル業の免許必要
  • 宿泊税の有無
  • アパートは原則又貸し禁止

Spotify

spotify スウェーデン発、音楽ストリーム・サービス業界最大手の一つであるSpotify。「無料プラン」「$5プラン」「$10プラン」の三段階あり、有料プランにすれば2400万曲を無制限に聴くことができる。Spotify上で友達をフォローすることやSNSで楽曲を共有することもでき、音楽を通してソーシャライズできることも特徴だ。(詳しくは海外で話題の音楽系オンラインサービス10選

Spotifyが日本展開するためには、著作隣接権をクリアする必要がある。具体的にはレコード会社をはじめとする著作隣接権利者と交渉して、”楽曲を使用する事”と”サービスが基本無料である事”に承諾をもらい、”楽曲使用料”も決めなくてはならない。この中のサービスが基本無料である事が、日本のレコード会社の一番の懸念となっている。

欧米で爆発的にヒットし、2012年の売上は560億円。業界最大手まで成長したSpotifyは「自由に音楽を聴く」ことを根本に据え、コンサート情報や音楽ニュース、ユーザーの気持ちに合わせたプレイリストの自動作成など、徹底的にユーザーを意識している。

著作権・著作隣接権について

  • 著作権を管理しているJASRACにお金を払う必要あり
  • 著作隣接権を管理しているレコード会社等にお金を払う必要あり

(著作権:メロディーや歌詞にかかる権利)
(著作隣接権:アルバム原盤作成費用を出したレコード会社の収入源となる)

Uber

uber Uberはスマートフォンから分かるユーザーの位置情報を元に、素早くリムジンや一般車両を呼べるサービスだ。時間指定もすることができ、タクシーの待ち時間を省く事ができる。(創業者について詳しくは Uber ファウンダー Travis Kalanick 驚異の失敗歴

このサービスで問題となるのは、Uberが「タクシー業」を営んでいるかどうかだ。Uber側はあくまで「私たちはタクシー会社ではなく、配車サービス会社だ。なぜなら私たちはタクシー自体を保持しておらず、契約運転手とユーザーを繋げているだけだからだ。」と主張している。

このUberの人気は俄然上昇中で、今後は日本市場での展開も予定しており、2012年のアプリ経由の売上は5億円超だ。タクシー業界からの強い圧力を受けている同社だが、「タクシーの待ち時間を省いて、ストレスフリーで移動したい」というユーザーの気持ちをしっかり汲み取っている。そして創設者たちは、交通手段をより快適にするためにという想いで世界にサービスを拡大している。

タクシー業とみなされる要件

  • タクシー業務特法の指定地域内にある
  • 客から依頼を受けて、自動車を使用して客を運ぶ事業
  • 有償で上記サービスを行う事業

 

制度と付き合う

創造的なサービスや製品は既存企業や制度と摩擦を起こす事が少なくない。この摩擦は日本でもアメリカでも同じであるが、より果敢に起業されているのはシリコンバレーを擁するアメリカだ。なぜか、要因は様々ある。 その中で注目して大事にしなければならないと強く感じたことが二つある。

一つ目は「即座に行動する」ということだ。 計画段階で生じる問題や懸念を全て潰してから行動していてはトレンドのスピードについていけない。早めにアクションを起こし問題があれば改善する。この回転率を上げることによって大きく失敗する前に問題解決をし、イノベーションに近づくことができる。

二つ目は「人々の生活を豊かにしたい」という強い想いを持ち続けることだ。 シリコンバレーの起業家たちは、真に人々の役に立ち、人々が求めているものを正確に見極めて提供すれば広く世界に認められることを知っている。だからこそ既存の制度や法律との摩擦があるものでさえ、積極的に取り入れていくのだ。

 

未来の日本へ そして世界へ

普段の生活から「制度が、システムが、昔からのやり方が」と言って考えることをストップしてしまっている人を見ることが多々ある。しかしその制度は本当に世の中のためになっているだろうか

確かに変化や批判を受けながら新たにチャレンジをすることは決して容易なことではない。それでも本当に世界にインパクトを与えたいなら、真に人々が求めているものを見極めてまず行動を起こすべきだ。

制度に縛られないことの大切さをこれまで綴ってきたが、私は制度になんでもかんでも反するべきだとは考えていない。東日本大震災の際、被災地での盗難等の犯罪は少なかったし、多くのボランティアが駆けつけた。それは日本人が制度や道徳を重んじていることが大きな理由となっているだろう。このことは海外でも驚嘆されており、私も友人に “You should be proud of being Japanese.” と言われたことがある。私は日本で育ったことに誇りを持っているし、そんな日本が大好きだ。

「人々の生活を豊かにしたい」という想いがあり、「アクション」を起こせるか。 まずは自分の身近な人々の顔を見て欲しい。あなたの家族は、友人は、同僚は、そして自分は幸せそうな顔をしているだろうか。既存の法律や規制にとらわれる前に、身近な人を幸せにするアクションをまず起こすことがイノベーションの第一歩になると私は確信している。

photos by airbnb, Spotify, Uber, Brandon Hill

筆者:Yoshiaki Nakayama

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